母間
花徳
轟木
山・畦
金見
手々
母間

人の絆が強い 
「母間正直」な集落

ほっくほくな人たち

工房海彩 池村茂さん

島で生まれて3歳頃まで過ごしましたが、両親が子供の学業に力を入れたいと家族で関西へ引っ越しました。私は島が大好きでしたので、なぜ都会へ連れて行かれたのかわからず、いつかは島へ帰りたいとずっと思っていました。45年程前に島に戻ることができ、当時の島はまだ道も舗装されておらず、近所に針突(はじち)を施したお婆ちゃんがいらっしゃいました。島に戻ってからは、幼少期の頃とは変わってしまった自然を目の当たりにします。島はどんどん開発されて、10年という短い単位で環境が変わり、昔は見ることが出来た魚が消え、量も少なくなりました。島の経済成長を考えたら仕方ないのかもしれませんが、海を汚さない開発方法があるのではないかと思って、いま自然保護活動に携わっています。

夜光貝を初めて見たのは大人になってから、水中で見たときの大きさに驚き、真珠層はとても綺麗で感動しました。夜光貝磨きを広めているのは、細工が好きな理由もありますが、一番は環境教育するためです。夜光貝磨き体験では、最初に環境についての講演をしてから、磨く作業を始めます。体感してもらうことで聞き入れてもらいやすく、子供たちは純粋な気持ちで教わったことを親に話しをします。それが環境への意識を高める第一歩だと思っております。

工房隣にある川の『母間うなんぎゃなし伝説』は、川を大事にしようとする昔の人の教えではないかと思います。川と海、山と文化は繋がっているということですね。

徳之島はどこへ行くにも50分とかからない小さな島ですが、変化に富んだ凄い島です。環境が恵まれているという事は、大事にするという事なのではないかと私は考えます。

先祖代々が受け継いできた大事な島なので、エコツーリズムを理解して下さるお客様にぜひ足を運んでほしいです。世界自然遺産の観点がずれるような事がないように、生態観光をどこまで島民が共有できるかだと思いますね。”海からのおくりもの”と呼ばれているアイゴの稚魚『シュク(島口)の群れ』が毎年島にもやってきますが、シュクが来ているうちは島もまだ大丈夫、自然保護できるとそう信じて今後も活動に取り組んでいきます。

夜光貝磨き体験は要予約です。留守電にメッセージを入れて頂ければ、折り返しをします。0997-84-1045

有限会社 梅山商店
梅山紀子さん(右)
内山柳子さん(左)

昭和20年創業、会社になったのは昭和60年です。10年前から販売しているサーターアンダギー、棒アンダギーは、手作りで地元の方々に人気の商品です。おやつやおつまみなど自宅用と、都会にいる親戚に送るために購入される方が多いです。また亀津のスーパーでも販売しており、3年前から徳之島町ふるさと納税返礼品にもなっています。島のお菓子は、母間の安田製菓『サタマメ』や、天城町平瀬製菓『生姜糖』など他にも豊富に揃えています。(梅山さん)

嫁いでからも実家を手伝っています。昔は母間にも商店が多く、10店舗ほどありましたが、今では3店舗になってしまいました。島の人口減少が加速する中、世界自然遺産登録されたことは喜ばしいことですが、長年島に住んでいるとなかなか自然に触れる機会も少なく、実はアマミノクロウサギを一度も見かけたことがないんです。観光客が増えることは、私たちの仕事にどのように影響するのかはまだわからないのですが、徳之島の美しい自然が守られ、島民の暮らしが更に良くなっていくことを願いたいですね。(内山さん)

営業時間8~20時
定休日なし(正月1~3日は休み)

島宿母間本家・分家
絆ファーム 栄元良子さん

昔ながらの島の家をそのまま残した『本家』は、五右衛門風呂が自慢の一棟貸しの宿です。改修当初は、煉瓦でつくられた焚口の残る五右衛門風呂でしたが、新しい風呂釜が見つからず困っていたところ、偶然にも使われていない新品の風呂釜を近所の建材屋の倉庫で見つけたんです。

お客様が薪で風呂を焚くことは難しいので、給湯設備を入れて浴槽として五右衛門風呂を使っていただいております。五右衛門風呂用の木製蓋も置いておりますので、雰囲気を楽しんでもらえたら嬉しいですね。
また和室の床の間が少しさみしい感じがしましたので、私の母の留袖の着物をリメイクしてタペストリーとして飾ってみました。
天井が吹き抜けでモダンな雰囲気の『分家』は、今では珍しい琉球畳を使っている一間があります。広い庭が華やかになるように植物を植えています。年間を通して咲いている椿や、珍しい形をしたウコンラッパなども元気に咲いてくれています。お客様にのんびり”島時間”を感じて頂けるような空間づくりを心がけています。

見どころ1母間新港

年間を通して港内でウミガメを見ることができます。台風前後など、運が良ければ1匹ではなく複数見れる時もあるので、見れた人はラッキーです!県道沿いにある商店やスーパーでお買い物する時は、港へ駐車し県道へ繋がる石垣の道を歩いてみてください。

見どころ2母間ハート

土建業の方が遊び心で作ったと言われていますが、今ではすっかりお馴染みの写真映えスポットになっています。砂浜へ階段を下りてハートの中心に移りこむのがポイントです!日中に青空の下での撮影や、夕焼け時間の撮影もおすすめです。

見どころ3母間の無人販売

県道沿いに10軒ほどあり、母間の畑で採れた季節の新鮮野菜やくだもの、苗などを格安にて販売しています。『値段が書いていなければ100円』という島のルールがありますので、母間へ来られる際には小銭を多めにご持参ください。

見どころ4麦田神社(トゥール墓)

洞穴などを墓室とした奄美群島の風葬墓「トゥール墓」があった場所。「祖霊の碑」はここで見つかった数多くの人骨を弔う慰霊碑です。集落の戦没者と祖先の冥福を祈る慰霊祭が毎年行われています。

見どころ5フーサナキ公園

きれいなリーフが広がる、集落民おすすめのスポット。釣りやダイビングにも最適です。岩山には戦争でこの海に沈んだ特攻隊員の慰霊碑「黒潮の塔」があります。

見どころ6うなんぎゃなし(鰻神)

福川の大鰻が尾びれで集落の大火事を鎮火したとの言い伝えから、今も鰻神として崇められている鰻を見ることができます。時には体長100cm超の大鰻が現れることも!母間集落では毎年「うなんぎゃなし祀り」を開催して、集落の安全と繁栄を祈願します。

母間小学校の通学路で大村建材を営んでいます。店舗前で毎日登下校を見守っているので、子どもたちからは「しょうちゃん」と呼ばれています。旅の途中で出会ったら、声をかけてください。集落のいいところをたくさん教えますよ!

大村建材 大村 昭一郎さん

歴史伝承 言い伝え

母間騒動

1816年、薩摩藩の厳しい租税の取り立てに抗議して捕らわれた掟(現在の区長)を、村人たちが蜂起して救い出し、鹿児島の藩庁に出向いて実情を訴えました。仲間を思い正義を貫く「母間正直」と「母間魂」は、今も集落に受け継がれています。

大アラ騒動

1979年、母間沖に自動車サイズの巨大なアラがいるとの目撃情報から、大規模な捕獲プロジェクトが立ち上がりました。
釣針はバールを曲げて作り、エサは生きた豚。
結果は残念ながら不発に終わりましたが、大きな話題にはなりました!